全日本食えば食える図鑑

名は体を表すように、本は人を表すと思う。
作者然り、読者然り…購買者然り。
私にこの本をくれた人は椎名誠に違い無い。
スタイルとか言葉とか、どうしようもないくらい似ている。
酒好きなところとかね。
 
訳あって二日ほど何も食べていない人間が、危うく即神仏になるところだった。食べることがトラウマになりそうだった。
少なくとも宿漁港行くことは一生涯無いだろうと思われる。
 
ところどころに「ああ、そろそろ無茶出来ねえなあ」と言う哀愁のようなものが漂っているが、巧みな構成によりどの章にも一本芯が通っている。
シーナさんかっこいい。
 
日本全国津々浦々。まったくの未知の食材から高名な(悪名高い?)ものまで満載の一冊。
あなたの街のアノアレが載っていたとしたら、それはどちらかと言えば不名誉なことかも知れない。
でもシーナさんは食べてくれた。
それは誇ってもいいような気がする。
 
 
 
食物の本だと思ったら大間違いやぞ!
食物取材に託けた、のんべえのぶらり日本奇行です。

全日本食えば食える図鑑 (新潮文庫)

全日本食えば食える図鑑 (新潮文庫)