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スワロウテイル人工少女販売処

読み進めていくうちに趣がどんどん変わっていくので不思議だなあと思っていたら、あとがきで2年の歳月を掛けて描かれた物語であると知って納得。
初見は難解そうだったけれど、いやー読み易いし面白い。ハヤカワは久々に読んだけどこの感じ凄く好き。
理系的?哲学的?生命科学ファンタジー。
現実世界には存在しないはずの人工妖精が、終盤ではすっかり「あ、彼女たちはこちら側には存在しないんだ」とちょっと自分でも驚いてしまうくらい、自然に自分の中に存在していた。
それくらい彼・彼女たちにはリアリティがある。
 
深山と鏡子の会話の中に、とても興味深いものを見つけて夢中で読んだ。
人は肉体と魂で出来ているのではなく、予めソフトが搭載されたハードで、そこに乱数が介入することはない。何もかも全て生まれる前に決まっている。
これが“終末の予言”。
いつか人間の人生を完全にシミュレートすることが可能な人工知能が誕生するんじゃないのかな。その可能性は十分にあるよね。

想像すれば、それは確かに存在する。目に見えなくとも。
いつか人類が〈人工妖精〉を生み出す日が来ると自分は確信している。それは多くの人が物語と言う名の“予言”で示しているから。
人が機械を想い、機械が人に思慕を抱く世界をこの目で見るには、あと何年後に生まれてくればいいのかな?