魔導師の月

「夜の写本師」でファンタジーの新機軸を打ち出した作者の第二作目。

本を読む時、音楽を聴く時、全てタイミングがあると思っている。
この本も、読むべき時にやって来てくれた。
今しかこんな気持ちにはならないだろうと思う。
二人の魔道師の中で輝く星々が、完璧に記憶と重なった。

人は物語を紡ぐのだと教えてくれたのは、やはり本だった。
どんな人にも、かけがえのない1ページはある。

穢れた月はもう無い。
太陽が綻びを縫い、自身の中に闇を抱えてただ、人は生きて行く。

魔道師の月 (創元推理文庫)

魔道師の月 (創元推理文庫)