甦る変態

星野源がクモ膜下で倒れる前と後の前後編になっている。

前編は、忙しい日常を彼の目線でセンスよく切り取ったエッセイ。
後編は、倒れた後の壮絶な闘病記。

自分も入院・手術・リハビリを経験したけど、病気や怪我で思うように動けないと人はやっぱ病むんだな。
自分も辛かったけど、彼程は頑張ってない。
それでも、同じように病気になったことで得たものは沢山あった。 辛かったことを面白おかしく人に話しては笑顔を貰って糧にしていた。

口に出さない辛さは誰にでもあるだろう。
口に出したって、後に残るのは後悔だけだからだ。
そうやって、こう言うタイプの人間はどんどん笑うようになっていく。
笑えば、一時心の痛みを忘れるから。

日々をただぼんやり生きていたって、時間はどんどん進んでいずれは死ぬのだ。
その瞬間まで、人は死ねない。

「死ぬことよりも、生きようとすることの方が圧倒的に苦しいんだ」
「生きるということ自体が、苦痛と苦悩にまみれたけもの道を、強制的に歩く行為なのだ」
「だから死は、一生懸命に生きた人に与えられるご褒美なんじゃないか」

前編のどこか軽い言葉は、後編では血肉を伴ってずしりと重く心に響く言葉に変化していた。
生きてて良かった。星野源と言う人が、あの時窓から飛び降りたりしなくて本当に良かった。
何故なら、ついこの間も風邪で寝込んで苦しさで眠れない時に、ラジオや楽曲でとても癒やされたから。

生きることは苦しい。
けれど、それをSMと解釈する星野源はイマジネーションに溢れた変態だと思う。
変態最高。変態万歳!

さあ、これからも人生謳歌しよう。

蘇える変態

蘇える変態