幼年期の終わり
読後感は極めて良くない。「不快である」との評は間違ってはいない。
しかし、この作品が予見している物質世界から目に見えない精神世界への人類の進化と言うものが、そう遠くない未来に起こるのでは無いか、と言う予感を残した。
それは人類にとって華やかで美しい変遷であれば良いと切に願う。
二つの異なる存在が、互いを観察し、研究し、理解しようとする時。
そこにあるのは純粋な好奇心のはずだ。
固体が異なれば、見え方も感じるものも違う。
この世の中で最も忌むべきものは「無関心」であることを、幼年期の終わりを迎えた人類の姿に見た。それは恐怖ですらある。
オーバーロード達の絶望、人類の孤独。
果たして、クラークの言う通り人類は幸福なのか?
自分は別の答えを出したい。もっと希望を、見出だしたい。
- 作者: アーサー・C・クラーク,福島正実
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1979/04
- メディア: 文庫
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幼年期の終わり
読後感は極めて良くない。「不快である」との評は間違ってはいない。
しかし、この作品が予見している物質世界から目に見えない精神世界への人類の進化と言うものが、そう遠くない未来に起こるのでは無いか、と言う予感を残した。
それは人類にとって華やかで美しい変遷であれば良いと切に願う。
二つの異なる存在が、互いを観察し、研究し、理解しようとする時。
そこにあるのは純粋な好奇心のはずだ。
固体が異なれば、見え方も感じるものも違う。
この世の中で最も忌むべきものは「無関心」であることを、幼年期の終わりを迎えた人類の姿に見た。それは恐怖ですらある。
オーバーロード達の絶望、人類の孤独。
果たして、クラークの言う通り人類は幸福なのか?
自分は別の答えを出したい。もっと希望を、見出だしたい。
- 作者: クラーク,池田真紀子
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/11/08
- メディア: 文庫
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スロウハイツの神様
最後が出来過ぎているような気がしないでもないけど、良い終わり方だったんじゃないでしょうか。
卵が先か鶏が先か。最終的には神様が先だったけど。
辻村深月は「子どもたちは夜と遊ぶ」で殺人時のリアルな心理描写に疲れて放り投げて以来だったけど、これは好きかな。
先は読めたし、みんなどんどん大成していってほんとトキワ荘かと思ったけど、環が最終的に好きになれたので良かったかな。コウちゃんも好きだよ。ストーカーだけど。
黒木とコウちゃんの関係が良いですね。
非常に良いですよね。(大事なことなので
相変わらずキャラクターが魅力的でそこに引き込まれるけど、冷たい~の時のような鮮烈さが無いのが少し残念。自分はああ言った少し棘のある作品が好きなのかも知れない。
バランスは良かったんじゃないでしょうか。
ヒロインはきっと作者に似てる。たぶんね。
- 作者: 辻村深月
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/01/15
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ηなのに夢のよう
駄目ださっぱり分からん。もしかして意味無い?意味が無いのがテーマ?
まあでもあちこちで言われている通り、今頃萌絵の両親が出て来てもねぇ…
赤柳の正体が明かされたのが収穫かな。
犀川先生は今回も無駄にべらべら喋ってたな…
海月もっと喋れ…海月不足過ぎる。もっとこう、海月がピンチに陥らないかな?(なるとしたら加部谷の所為だな
凄く…
消化不良です……
でもこれ森先生が意図的にやってるような気がするな。
ηなのに夢のよう DREAMILY IN SPITE OF η Gシリーズ (講談社文庫)
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/09/28
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スワロウテイル人工少女販売処
読み進めていくうちに趣がどんどん変わっていくので不思議だなあと思っていたら、あとがきで2年の歳月を掛けて描かれた物語であると知って納得。
初見は難解そうだったけれど、いやー読み易いし面白い。ハヤカワは久々に読んだけどこの感じ凄く好き。
理系的?哲学的?生命科学ファンタジー。
現実世界には存在しないはずの人工妖精が、終盤ではすっかり「あ、彼女たちはこちら側には存在しないんだ」とちょっと自分でも驚いてしまうくらい、自然に自分の中に存在していた。
それくらい彼・彼女たちにはリアリティがある。
深山と鏡子の会話の中に、とても興味深いものを見つけて夢中で読んだ。
人は肉体と魂で出来ているのではなく、予めソフトが搭載されたハードで、そこに乱数が介入することはない。何もかも全て生まれる前に決まっている。
これが“終末の予言”。
いつか人間の人生を完全にシミュレートすることが可能な人工知能が誕生するんじゃないのかな。その可能性は十分にあるよね。
想像すれば、それは確かに存在する。目に見えなくとも。
いつか人類が〈人工妖精〉を生み出す日が来ると自分は確信している。それは多くの人が物語と言う名の“予言”で示しているから。
人が機械を想い、機械が人に思慕を抱く世界をこの目で見るには、あと何年後に生まれてくればいいのかな?
- 作者: 籘真千歳
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/09/30
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カラフル
森絵都はもうね、女の子の描き方がもうね、痛い。
あと人間関係でじわじわボディーブローを食らう。
プラプラが凄いインパクト。声が素晴らしい。
結末は大体読めていたけど、演出が巧みで途中本気で「リミット」を思って悲しくなったり。
早乙女くんが良い。世界中の人の隣に早乙女くんが居ればいいのに。
…実は誰の傍にも早乙女くんは居るよね。分かってる。
自分の傍にも早乙女くんが居るし(映画観賞中にメールが来てた)、きっと自分も誰かの早乙女くんなんだろうなと思う。
さっきから早乙女くんのことしか書いてないな。観れば皆もきっと夢中になるよ。
映画や本や音楽って、きっと観るべき時・読むべき時・聴くべき時に巡り合うようになってる。
自分はこの映画を観るべくして観た。物語の中に、自分をたくさん発見した。だからきっとこれは自分の物語だ。観た人の数だけ、きっとこの世界は色合いを増す。よりカラフルに。
テーマは単純で分かり易い。けれど奥深いね。
何とも味わいのある作品でした。
- 出版社/メーカー: アニプレックス
- 発売日: 2011/04/20
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バカは二回海を渡る
映画館に行けなかったので、DVDが出るのを待っていた作品。
水曜どうでしょう的なのをイメージしていた訳ではないんだけど、もっと旅行記っぽいかな?と思ったら全くコメディー色がなかったね。
ドキュメンタリー?ストーリー?やっぱりドキュメンタリー?と、軽く混乱した。
全体を通して何度も登場するアメリカの風景やアメリカ人へのインタビューがかなり良い。
主役二人の演技が上手過ぎて演技なのか素なのかが分からないシーンがいっぱいあったけど、特典のインタビューで弓削さんがそれが狙いだったことを話していて納得。
ストーリーはあるにはあるんだけど、最後までどうやって繋がるのか分からなくてちょっと置いてけぼりになることも。
でもまあラストシーン、須賀さんのピースサインが見れたので良しとしましょう。相変わらず良い笑顔。
弓削さんの撮ったFREEも観てみたいな。
まー、正直かなーり荒削りと言うか実験的作品なので二人の演技が好きな人でないとちょっとお薦め出来ないかも。
観ながら、窪塚洋介が転落事故から復帰した際に同じ場所でドキュメンタリーを撮っていたことを思い出した。
モニュメント・バレーはほんと凄い景色だなあ。
その風景の中に立つ二人はとても綺麗で絵になっていたよ。