No.6

あさの先生の作品にしては勢いだけの、かなり荒削りな感情優先型の作品じゃないでしょうか。
 
ずっとアニメと平行して読んでいましたが、このところの娯楽三昧で少し麻痺した脳に刺激が欲しくて最終話を待たずに一気読みしてしまった。後悔はしていない。

読み終えて、ネズミが、紫苑が、彼らの奔走する姿が痛ましく力強く、鮮烈に蘇って来るよう。

何でこれアニメ化しようと思ったんだろうね?ちょっと不思議に思う。
ふわふわとした甘い夢と、現実と虚構とが織り成すディストピアのイメージが重なり合う幻影のような・・・子供の夢。
現実世界とリンクする部分はほんの僅か。想像力豊かな幼い脳が視る世界。 不確かであやふやで奇妙なリアルさを伴う世界観に圧倒されるばかり。

薦めてくれた某氏に感謝。たぶんもうそんなことなんて忘れてるだろうけど。
 
この時代をある意味反映している気がしないでもありません。
虚構、虚栄。偽りの多い世の中です。
本当のことは、いつでも自らの中からしか生まれては来ない。耳を塞ぎ、言葉を控え、内省し、夢に真実を見出だす。

NO.6♯1 (講談社文庫)

NO.6♯1 (講談社文庫)

どうかこの物語が多感な少年少女たちに正しく理解されますように。